先だって小学校のクラス会があった。
何年か前に俺のホームページをみたという男がこう聞いた。
「いまもあの日記のようなやつ、書いている?」
「昔のように熱が入らなくなったよ」
と、俺は答えた。 そうなのだ。
最近、発信意欲がすっかり減退してしまったのだ。
それは、発信への原動力が失せてしまったためだろう。
これまで、書くことで頭の中を整理し、心を落ちつかせてきた。
しかし、悲しいかな、最近は、
心に葛藤がなく、屈折もなく、ただ、淡々と時間が過ぎていく。
あせりもなく、あがきもなく、そして意味もなく。
だから、書くことがない。
二月から法華経を読んでいる。
昔なら理解できないことに悩んだろう。
いまはそれがない。
いらいらもなく、得たいともがくこともない。
あれほど湧き出た好奇心も枯れかかっている。
ときめきも、どきどき感も、恋する心も、忘れかかっている。
こんな状態に立ち至っても、それが悩みには変じない。
"元気ですか"と問われれば、"はい、元気です"と答える。
二日つづけて出かければ疲れは出るけれど。
歳を重ねると、場面が次から次に変わり、
想像もしなかった心境に自分を置くものだ。
面白いといえば、面白い。
ありがたいといえば、ありがたい。
流れに逆らう流れはなく、流れるように流れていく。
われ先に逝くことだけはせぬものと
思ひし杭ぬけ 流れおだやか
母の寝室であったこの部屋で 2010/6/8