人生には節目というものがあるようだ。
十年まえの2000年、インターネットが交友関係を変えた。
仕事の世界は面白かったが、先がないと感じていた。
定年後のことも視野に入れねばならぬ時期だった。
今年2010年は老熟準備体操だと勝手に思い定め、
老いへの準備らしきものを始めてみた。
気力、体力、持続力、忍耐力、たしかに衰えをみせる。
西行法師は"捨てる"をテーマに歌をよく詠んでいる。
捨てるという自発的意思までにはいかないにしても、
終わるという意識を自分はたしかに感じる。
ポロポロと、なにかが自分のなかで終わりを告げていく。
親に対しはたさねばと思っていたこともまがりなりにも終えた。
稼ぎという意味だけでつなぎとめていた仕事も辞めた。
それに、人ともあまり会わなくなった。
あれほど楽しみであった集まりにも今年は出なかった。
元気でなくなったかというと、そうではない。
弱くなったのは体のほうだけだ。
学習意欲は依然旺盛だ。社会の動向にも目が離せない。
中身は変わったが、充実した人生を歩んでいると思っている。
ひとつ消ヘふたつ消へ
身はほそりゆく
これさみしといふか
なんともかろやか
あと何年生きるか知らぬが、いつの日か、
「2010年は節目の年であったなあ」と思い返すだろう。
今年はそんな年だった。