第1章 それはそれなりに

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 2011年も始まった。

曲がりなりにも続けてきた仕事も辞め、
完全な年金生活者になっての正月を迎えた。

今年はとの意気込みもなく、抱負も出ない。
まあ、それはそれなりにやっていこうかと思う。

なので、今年のシリーズタイトルはそれにした。

 しかし、稼ぎがないというのはなんとも心もとない。

働いて得たお金なら、心置きなく使える。
年金は世代間の約束事で成り立つものとはいえ、
人さまからいただくものという感じが強い。
ついつい、払っている側のことを考えてしまう。
そして、申し訳ない気分になる。

 決められた収入だけになると、金が出が無性に気になる。

現役時代は頑張ればそれはそれなりの入りがあった。
それがなくなるのだから、飲み会も完璧なルンルン気分とはいかない。

 話はかわるが、
おふくろが生きていたときは、
なにかしらの頑張りというか、張りがあった。
子としての務めを担っていた。
自分が先に逝ってはいけないという緊張感もあった。

 それがなくなると、なんとも心定まらぬものだ。

有用の身から無用の側に身体ともども移ったようだ。
役立っているという実感がなくなるのはなんとも心もとない。

しかし、そんななかでも、
それはそれなりに生きていくしかないわけだ。

  あらためて
  誓ふことなき年迎え
  それはそれなりにと こころ定めし

2011/1/11
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