北京再訪(7) 個人旅行はかなりきつい

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Flash:北京再訪 個人旅行はかなりきつい

付き添い案内してくれる人がいなければ、動きようがない

今回は、王さんご夫婦のおかげでいろんなところに行けた。
中国語が話せない我々だけでは動きがとれない。
目指した郭沫若故居や茅盾故居、老舎記念館にも、
案内なしではたどりつけなかったであろう。

ぶらぶら散歩を楽しむという街ではない。

北京はスケールが大きい都だ。
スポットとスポットとの間に距離がある。
歩いてはいけない。どこに移動するにもタクシーだ。
やっと着いたら、そこは人であふれかえっている。
散策するという雰囲気はない。

歩行者より車が優先というのもつらい。

左、右、出てくる車にビクビクしながら、歩く。
ここならぶらぶら歩きが楽しめるだろうと、胡同の路地に入った。
道幅一杯にベンツが突っ込んでくる。
運転する若造は警笛を鳴らし、歩行者を脇にへばりつかせる。

お客さま歓迎という雰囲気は薄い。

観光を街全体として推進していこうとの意思はない。
インフォメーションセンターも案内図も見当たらない。
一休みできる休憩所もなければ、ベンチもない。

それでも観光客であふれている。

地方からであろう人々が押し寄せている。
中国人にとっては一度は訪れたいところか、
観光を奨励しなくとも人は集まってくるのだろう。

一方、外国人はまれにしか見かけない。

特に日本人は、街で会うことはなかった。
北京当局は観光ビジネスに興味がないのか、
あえて海外から観光客を呼び込む必要性もないのか。

接客も全般的に無愛想だ。

店に入れば、これが客商売かと思えてくることもある。
そんなものだと思えば、苦にはならないが、
笑顔がない、気配りがない、動きが荒っぽい。

だからこそ、対応がよければ、数倍うれしくなる。

ビル地下のモール街で昼食をとった。
食べ終わり、店を出た。
やはりトイレに寄っておこうと思った。
店に戻って、トイレをさがしていた。
店の者がそれを察して、微笑み、場所を教えてくれた。

たしかに変わった。

出入口で道を空け、お先にどうぞと譲ってくれた。
エスカレーターの上り下りは右側を空けている。
公園は掃除が行き届き、道にはゴミも散らかっていない。

郭沫若故居を訪れたときもそうだった。

私たちの話す日本語を聞きつけてか、
閉じていた扉を開き、奥の部屋に入れてくれた。
日本人であった郭沫若夫人が使っていた部屋だ。

暖かさと冷たさが同居する。

歓迎されたことによる心地良さ、
無遠慮な態度で追い込まれる心身の緊張。
これらが交じり合い、まだら模様をなすところが面白い。
これが北京らしいところなのかもしれない。

2011/11/30

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