昔なら、もう買っていただろう。
スマートフォン、タブレットPCと、
流行りものに興味がいったであろう。
当面のメリットやなにに使うかは脇に置き、
持つことで得られる幻想に魅せられて、手を出していただろう。
なにごとにも興味が薄れ、購買意欲も衰えた。
衝動にかられることもない。
眼鏡を額にずりあげ、画面に眼を近づける姿はさまにならない。
思い立ったら行動にという、あの積極性も影をひそめた。
そもそも、思い立つこと自体が生まれない。
そんなこんなで、今年はなんともたよりない幕開けとなった。
例年であれば、こんな姿勢で臨もうと、一応は思い描いてみる。
目標といった大それたものでなくとも、
今年はこうであろうというイメージさえも出てこない。
おぼつかな
いづれの山の峯からも
常なる花は咲きはじむまじと
外的要因もあろう。
本質的に収束できない原発の問題、
近年起きるであろうといわれる東海・南海連動地震、
いつ起きてもおかしくない東京直下型しかり。
世界いたるところで噴出、くすぶる対立・紛争、
その解消の糸口さえ想像できない絶望感。
そんな時代に身を置くとは想像もしなかった。
しかも、この歳でだ。 おおげさにいえば、
人生ドラマにおいて"起承"と順調に進んできたのに、
ここにきて、先がみえない"転"のステージに突入したようだ。
おだやかに、ゆるやかに下っていきたいとの願望を
打ち砕くがごとくに。
うろたえ、おののく事態もきっと起ころう。
つぶされてしまうかもしれない。
そんななかでも、あがく自分を面白いと思える自分でありたい。
好奇心は大いに沸かせねばと奮い立つ。
いまはどこ? 2012/1/22