第2章 のどかにも下れ

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Flash:第2章 のどかにも下れ

"いまは何処?"と問われれば、

いましばらくはなだらかな下り坂であってほしい。

下った先がどうなるかはわからない。

尾根から転げ落ちることだけはないよう願っている。
一面に野花咲く草原に出られれば、それは最高だ。

のどかにも
つづかんことやこのけしき
がむしゃら峠をあとにくだる道

先日、"北京故宮博物院展"に行ってきた。

前回、一月下旬に行ったのだが、
入場に3時間、あの「清明上河図」を見るのに5時間。
あきらめて帰った。

その清明上河図も展示を終え、北京に戻った。
そのためか、今回は待たずに入館できた。

それにしても、大勢の人だ。

最近、東博の企画展や特別展はやたらと混む。
それも自分と同世代の人たちで一杯だ。
この手のものが似つかわしいのだろう。

しかし、それだけではまずい。

そう思い、アキバをぶらついてみた。
秋葉原時代からの変わり様を体感した。
万世橋横のLaoxはパチンコ店に変わり、
電気街口の通りにもフィギアー店が進出している。

さすがにAKBのショップには入れなかった。

チケット窓口も素通りするしかなかった。
上演プログラムや料金、入り具合に興味があったのだが。

ヨドバシカメラならと思い、入ってみる。

ここもどうも落ちつかない。
店員もこの年寄りが話しかけるという雰囲気ではない。
購買層はせいぜい中年までといったところか。
あえて買いたいと思うに至らず、出る。

なにかさみしさを含んだ戸惑いとともに街をあとにする。

再開発でたしかに綺麗な街になった。
しかし、慣れ親しんだ空間が消えるとはなんとも複雑な思いだ。
この空間には身の置き場がない。

別に懐かしさを求めているわけではない。

しかし、情けないことだが、ついつい、
昔の残像を思い描いてしまった自分がいる。

いまはどこ?  2012/2/17

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