パックツアーでスペインへ
Flash:第4章 想像以上のプラド美術館
第4章 想像以上のプラド美術館

メンバー達とわかれて、サン・ヘロニモ通りを東に下る。

左手に国会議事堂があり、その隣りに美術館をみつける。
それがティッセン・ボルネミッサ美術館だった。
たいへん魅力的な美術館に出逢う。



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ティッセン=ボルネミッサ家の蒐集品が展示されている。

中世、ルネサンス、バロック期の作品から、
フランドル派、ドイツ絵画、フランス絵画、スペイン絵画、
さらに、印象派、ポスト印象派、さらに加えて、
キュピスム、20世紀の前衛絵画までに及ぶ。
ヨーロッパ絵画の流れが通しで観ることができる美術館だ。

作品の質が高く、保存状態もたいへんいい。

たとえば、印象派の作品などは光りで満ち満ちている。
日本で見るものと比べれば、その差は格段だ。
すばらしい! 思いがけない収穫だ。


プラドへの再入館は夕方近くになってしまう。

この時間帯ともなると、さすがに入館者は少ない。
あれほどごったがえしていた館内も静けさを取り戻している。
学生たちのグループが目につく程度だ。

すべてを観てまわるのはきつい。

ベラスケスとゴヤに絞り込むことにする。
それでも、ベラスケスが9室、ゴヤが16室もある。
1室に8枚の絵が展示されているとして、200作品だ。

プラドに来て、気づく。

絵画は見るというより、みつめられるもののようだ。
第12室のベラスケスの間、第32室のゴヤの間に入る。
描かれた人物たちが前後左右から自分をみつめる。
とりわけ、絵に描き込まれた画家自身からの視線はするどい。
対峙させられているような錯覚をおぼえる。

「やっと来たか」と絵の内部から声がする。

ベラスケスに、そしてゴヤに会えたことに感謝する。
期待していた以上に充実した時間と空間に身をゆだねる。
プラド美術館に来たくて、スペイン旅行を選んだ。
その判断が間違っていなかったことを実感する。

パックツアーでスペインへ  2012/4/14

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