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Flash:第8章 アルハンブラ宮殿があるグラナダへ
第8章 アルハンブラ宮殿があるグラナダへ

メスキータとその周辺の観光を終え、コルドバをあとにする。

バスは乾いた大地を南下する。
暗くなり始めたころやっとグラナダ市内に入る。
マドリードを早朝出発して、ほぼ600キロを走った。
ホテルで食事したあと、周りを少しぶらつく。

遠く、高台にライトアップされた建物が見える。

あれがアルハンブラ宮殿であろうか。
それにしてはいやに小さく見える。
明日はあのアルハンブラを訪れるのだ。



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8世紀半ば、イスラム教団国家(ウマイヤ朝)で政変が起こる。

アッパース家が権力を握り、ウマイヤ家を追い出す。
ウマイヤ家でただ一人、難を逃れたのがラフマン一世で、
彼は、彼を支持する豪族とともにイベリア半島にたどり着く。
そして、後ウマイヤ朝のカリフ国を興し、コルドバをその都とする。
コルドバは繁栄を重ね、学問や芸術の一大中心地となる。
先ほど見たメスキータもそのもとで造営されたものだ。

11世紀になると、栄華で輝いた後ウマイヤ朝カリフ国も衰える。

中心を失ったスペインイスラム国は小国分立の状態に陥る。
グラナダ王国もそのイスラム小国のひとつだ。
グラナダ建国は13世紀で、その初代の王がムハマド一世で、
彼は、以前からあったグラナダ城塞のなかに宮殿を建設する。
それがアルハンブラ宮殿だ。
その工事は彼一代では終わらず、歴代の王によって進められ、
二百年余の歳月を費やし、アルハンブラ宮殿は完成する。

北に退いていたキリスト教徒が領土の奪回に入る。

イスラムの小国や町が次々と征服されていく。
最後まで残った国がグラナダ王国だ。
グラナダはイスラム勢力最後の砦としてもちこたえる。

1492年、ついにグラナダ王国が敗れるときがくる。

フェルナンド王が率いるアラゴン王国と、
イサベル女王のカスティーリャ王国との連合軍がグラナダに攻め入る。
このスペイン二大キリスト教王国によってグラナダはおちる。
イスラム最後の王、ボアディルは宮殿を明け渡し、グラナダを去る。

キリスト教徒の手におちたアルハンブラは受難の時代に入る。

フェルナンド王、イサベル女王の両王の孫である
カルロス一世はアルハンブラ宮殿の一部を取り壊し、
その跡にルネサンス様式のカール五世宮を建てる。
イスラム宮殿とは水と油の建築物だ。
なんとも不つりあいな建物を建ててしまう。
その後も、事故や放置などで荒廃が進む。
19世紀の初め、ナポレオン軍が侵略し、さらに破壊を加える。

近代になってやっと修復の手が差しのべられる。

これが明日見学できるアルハンブラ宮殿だ。
いまや世界の旅行客を集める観光のメッカとなっている。
はたしてどんな顔をみせてくれるのだろう。

パック旅行記  2012/4/27

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