パックツアーでスペインへ
Flash:第14章 プラドといえばベラスケス
第14章 プラドといえばベラスケス

プラド美術館は重層だ。

フェリペ二世はイタリアやフランドルなど外国の作品を蒐集した。
それも精力的に、とりつかれたように集めた。
この16世紀後半の蒐集作品群がプラド美術館の基盤となっている。
これらを観るだけでも、かなりの時間を要する。
しかし、これだけで終わらないのがプラドだ。



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魅力はなんといってもスペイン絵画だ。

17世紀に入ると、スペイン絵画は一大転換期を迎える。
以降、スペイン人画家たちは独自の花を咲かせる。
これらは、フェリペ二世の蒐集品以上に、プラドで光りを放つ。
たとえば、ムリーリョ後期の傑作「スールの無原罪の御宿り」には、
引き寄せられ、導きられ、その前でたたずんでしまった。

魅力はスペインならではの息吹きだ。

美術館所蔵作品を分類すると、4分の3が宗教画だそうだ。
キリスト教を題材とする絵画群からは禁欲的な厳粛さが感じとれる。
それとともに、スペイン17世紀宗教画には親しみ深さがある。
描き方は画家によって違っても、その時代の人の息吹きが感じ取れる。

宗教画から風俗画、肖像画へと絵画領域は拡大する。

その展開にしたがい、画家の活気や切迫感は加速する。
ベラスケス、ゴヤへと進むほど、その迫力は強まっていく。
絵画に課せられた意味さえも変化していく。
描かざるをえない画家自身の思いを描く作品へと展開する。
プラドに魅せられるのはここにある。

ベラスケスはスペイン絵画の黄金期を代表する画家だ。

彼は1599年、セビーリャで生まれた。
レコンキスタが完了した1492年の約百年後になる。
セビーリャはアンダルシアを代表する都市で、
ヨーロッパ各地から商人が集まり、海外交易の拠点であった。
教会が中心となって、芸術も大いに栄える。

ベラスケスの活動期はフェリペ四世の時代にあたる。

フェリペ四世とは年齢も2才ほどの違いしかない。
ベラスケスはセビーリャで絵の修業を積み、マドリードに出てくる。
24歳のとき、フェリペ四世付き画家に抜擢される。

そのころの作品「黒衣のフェリペ四世」がプラド美術館にある。

若き日のフェリペ四世の品格ある肖像画だ。
風貌や姿形からハプスブルク家の血をひくことが感じ取れる。
以降、ベラスケスは宮廷画家を長くつづけ、
衰退期に向うハプスブルク家を描いていく。

パックツアーでスペインへ  2012/7/14 記

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