シニアからの旅行術
Flash:第1章 国民宿舎もいいものだ
第1章 国民宿舎もいいものだ

夏の旅行は避けてきた。

リゾート地は人であふれている。
それに家族ずれが多い。子供らが駆けずり回るさまが苦手だ。
だが夏も終わりになって、3日ほど出かけることとなった。



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旅行では「休暇村」とか「かんぽの宿」をよく利用する。

四国の旅では「讃岐五色台」、奈良では「かんぽ奈良」、
高野山の帰りには「紀州加太」、関東近郊では「塩原」「日光湯元」、
茨城の近くでは「大洗」「いわき」と、利用した。
これが今回、夏休みのこともあってどこも満室だ。

国民宿舎がいまでもあることは知った。

失礼ながら、安価な宿泊所といった先入観がある。
どちらかといえば、家族旅行向けの施設であろう。
しかし、こんな機会でなければ、泊まることもなかろう。
空きを見つけたので、予約をいれてみた。

それが群馬県の榛名湖畔にある「榛名吾妻荘」だ。

これがアタリで、想像した以上の満足を得た。
開放感に欠ける室内など気になるところもあったが、
1泊2食付で7500円は安い。
なによりも料理が楽しめた。
高級旅館で出される豪華な料理もそれはそれでいいが、
今回のように素朴のなかに工夫をこらした創作料理もいい。

安価な値段を維持するにはそれなりの努力はしている。

このコース料理だって、身近の素材でつくりあげている。
これで原材料費をおとす。
従業員もよく働く。複数の職場をこなす。
レストランのフロアー担当、フロント、売店の店員、
喫茶コーナーのサービスなどを兼務する。
少ない人員で対応し、人件費をおとす。

至れり尽くせりのサービスを求める者には不満足であろう。

当然、そのような者はこんなところには泊まらない。
そういう人がいなければ、高級ホテルや高級旅館は存在しない。
これで経済はまわっている。

一方、濃厚なサービスを苦手とする者にはかえってこれがいい。

荷物を運び、部屋まで案内し、挨拶される。
これがわずらわしいと思うこともある。
食事が部屋でできなくともいい。
BS放送が映らないテレビでもいい。
部屋に風呂がなければ、大浴場にいく。
露天風呂がなくとも不満にはならない。

リッチさを求めて旅行をする。

時と場所によって、何をリッチととらえるかは変わってくる。
何を求めて旅をするかによって、リッチさの感じ方も違う。
今回は夏の高原に身を置くことであり、それに加えて、
榛名富士を四つんばいになりながらも登りきれたことが最高にリッチであった。

シニアからの旅行術  2012/8/29 記

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