いまは何処?
Flash:いまは何処? 2012年 最終章
2012年 最終章

つい先だってまでの暑さはなんだったのだろう。

それにつけても一年は速い。
この歳での一年は人生の70分の1にしかあたらない。
そのため、一年一年が短くなってゆくのだろうか。



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親と同じように自分も老いてゆく。

過って、老いた親にむかって言っていた。
「こんな熱い湯! 身体によくないよ!」。
それが、いま自分がその身になっている。
「何枚着ればすむの!」と言っていた。
それが、自分もあきれるほど、重ね着をしている。

老いは着実にやって来る。

それが、転がり下るような急坂でないところが曲者だ。
徐々に、ゆっくりと、しずかに、忍び寄る。
特に、冬はそれをあらためて感じさせる。

幸いにも、それなりの覚悟というか、気構えができる。

下る勾配をいくらかでもゆるやかにしようと努力する。
体と心は生きる両輪ではあるが、そのうちでも
心の牽引力により期待をかける。

構えができないのが死だ。

老いと異なり、死は突然と襲う。
覚悟して迎えるなどという余裕をあたえない。
あったとしても、覚悟など木っ端微塵に打ち砕く。

他界した。

死は忽然とやってきた。
人生の途上、三十代での死である。
この肉体の消滅時期を誰が決めているのだろう。

死には順番なんてない。

そのことをあらためて覚悟する。
しかし、そうとは知りつつも、
やはり、若い者の死は理不尽きわまりない。

いまは何処? 2012年 最終章  2012.12.6

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