Flash:第1章 ベラスケスの「ラス・メニーナス」
|
昨年、"パックツアーでスペインに"のシリーズを書いていた。 それが"第14章"で中断してしまった。 いまあらためて"プラド美術館回想"として継続してみる。 第1章 ベラスケスの「ラス・メニーナス」
プラド美術館の中央にスペインが誇る展示室がある。
ベラスケスの間と呼ばれる部屋だ。 Back Next トップに戻る |
||
ハプスブルク両家は結婚によって結びつきを深めていた。
マドリードのマルガリータがウィーンに嫁ぐことは、 この「ラス・メニーナス」はその一連の肖像画とはちがう。
この絵はテレビなどで何度も目にした。 あまりに多くの人物が登場しすぎる。
マルガリータにかしずく二人の女官、 これではマルガリータの存在はかすむ。
絵にはもう二人、描かれている。 この集団肖像画は何を意味するのだろう。
プラド第12室の正面に飾られるこの絵は予想以上に大きかった。 |
ベラスケスは誰を描こうとしたのだろう。
中央の幼いマルガリータだろうか。 目立っているのはキャンバスだ。
絵筆をもつベラスケスのまえにそそり立つキャンバス。 さらに言えば、ベラスケスだ。
構図の脇で遠慮しているようみえて、 画家は自己主張している。
マルガリータとその周辺の人々を描くことにかこつけて、 "画家も騎士であるぞ"と主張している。
画家は手作業するゆえ低い身分とみなされていた。 ベラスケスの凄さに身が震えた。 一年近く経ったいまでも思い返される衝撃だ。 プラド美術館回想 2013/5/10 記 |