熟年挽歌   2. 冬の日に

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 2009年はやゝ趣向を変えて、 歌を織り交ぜながら綴ってまいります。 タイトルも「熟年挽歌」としました。 熟年期総括のつもりで書いていきたいです。

今回はその2回目です。


 礼に欠ける言い方になるが、
親は身近なよき教材になることがある。


  冬の日に詠む

   思ふにもいかになるらんゆく末は
   こたつにしずむ老母をながめつ

         2009.1.5

 最近、とみに体が縮んでいっている。
背中を摩ったときなどは、特にそう感じる。
ゆくゆくは、自分にも同じことが起きる。
小さくなって消えてしまうのか。

縮むのは肉体だけではなさそうだ。
知的、情的活動も衰退するようだ。


  同じく冬の日に

   さらぬだにつきたるさきはなにあらむ
   語るもなしや思ふもなしや

         2009.1.5

心ふるわすこと、涙すること、
そんな事どもがうせる世界なのか。
老いた先、はたして何が残るのだろう。

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