熟年挽歌   4. いかにせむ

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 2009年はやゝ趣向を変えて、 歌を織り交ぜながら綴っています。 熟年期総括のつもりです。

今回はその4回目です。


  タイトルを「熟年挽歌」にしたら、
  やたらとしめっぽい話しがつづく。

彼とはネットで知り合い、交流をつづけてきた。
茨城の家まで訪ねてきてくれたこともあった。
度々あったメール交換もそのうち頻度が減り、
いつの間にか音沙汰なしの状態になった。
あとから知ったのだが、その間、いろいろあって、
たいへんな時期がつづいていたようだ。

その彼が去年の暮れ、急死した。
年賀状だけは出すようにしていたので、
そこに書いておいた電話番号に
親御さんが連絡してくださった。

  メル仲の死を知って

 いかにせむ
 死出の山路に旅立つも
 姿は見えず顔も浮かばず

彼との交流は西行がきっかけだ。
メルマガ(西行学習ノート)にも意見を寄せてくれた。
それらの助言や指摘は私にとって貴重な財産になっている。
それなのに、彼の実態像は私のうちになんら残っていない。
会う機会がなかった相手なら、なおさらだったろう。
なさけなくもはかない。

  あらためて思ふこと

 液晶にひとたび現れ
 消えゆくは
 野辺の葉におく露のごときか
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