熟年からのインターネット NO.75
自己流メーリング考 序説  イヌ派? ネコ派?

 あけましておめでとうございます。
今年もおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。

 お正月でひとが集まると、愛犬ハッピーはガラス戸 に耳をつけ、懸命に室内でかわされる会話を聞こうと する。そのうち、戸に手をかけ、なかに入ろうとする。 どうもイヌという動物は仲間意識が強く、ひとりいや 一匹にされるのがつらいようだ。普段でも夫婦ふたり でなにか話していると、そのなかに割り込んでくる。

 私のインターネットライフもこのイヌ的性格が出て いる。じっとしているのが耐え難いのである。「なに を話しているの?」「おれも入れてくれよ!」となる。 仲間でワイワイ、ガヤガヤするのが好きなのである。 その仲間に入りたいのである。これを称して、イヌ派 と名づけた。

 一方、猫をながめていると、犬とは違う行動をとる。 家内の実家に2匹いるが、めったに出会うことがない。 どこかに隠れている。姿を見せない。しかし、我々に まったく興味がないというのでもない。こちらが気づ かないうちに静かに近づき、様子を見ている。あの 「入れてくれよ!入れてくれよ!」と騒ぐハッピーに くらべて対照的である。こちらが気がつき、声をかけ ると、悠然とその場を去っていく。

 私のネットでのつきあいもイヌ的要素だけでは説明 できない。静かに読むだけの時もある。読んで何も発 言せずにつぎに移る場合もある。関心がないわけでは ない。ネコのように好奇心は旺盛である。ただ第三者 的立場で物事をながめたい時があるのである。その状 態が居心地良いと感じるのである。



 犬や猫と違い人間世界が面白いのは、各自がイヌ派、 ネコ派のいずれかに決めつけられないところにある。 私のMLとのかかわりにおいてさえ、自分がイヌ派と は言いきれないのである。これはネット世界に限った ことではなく、例えば、職場でのランチのとりかたに も現われる。仲間とべちゃくしゃしゃべりながら食事 をとるのも楽しい。一方、ひとり静かに外をいきかう 人々をながめながらランチをとるのもまた味がある。 ともに楽しく、好きである。

これは、多分、自分のなかにイヌとネコが同居してい るからであろう。あるときはイヌ的要素が強く出て、 積極的に仲間に加わり、活発に発言する。またあると きは、くりひろげられる楽しげな会話をだまって聞き ながら、こちらも楽しんでいる。これらニつの要素が 表裏一体になって成立しているのがネットの世界かも しれない。イヌ派、ネコ派が共存しながら、それぞれ の役割を担っているのだと思う。

 全員が感情移入した情景は想像しただけで恐ろしい。 また全員が黙りこくった世界もぶきみである。 個人個人においても、一方にのみ安住することなく、 意識的に自分が苦手とする面を出していくよう心がけ る必要があるかもしれない。

 新年にあたり、自分にはそう言い聞かせている。




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