熟年からのインターネット NO.79
自己流メーリング考 第一章 不安  1.ネット特性の光と影

 話は古く(?)なりますが、2000年6月の 「熟年からのインターネット」で「インターネットが 連れてくる『不安』と『不満』」を書きました。

あれから1年半がたちますが、あまり変わらない心情 です。第一章はインターネット体験の初期段階で感じ た『不安と不満』を書き移すところから始めます。

 それは漠然としたものですが、インターネットを 使い出して感じたことです。

危うさ、頼りなさ、不確かさで代表される『不安』、 そして、もの足りなさ、いらいら、ミスマッチといっ た『不満』です。

 インターネットは確かにすばらしいものです。 これまでに体験したことのない世界に導きます。それ はインターネットが持つ、次の特性によるところが大 きいです。

 1. 広域性

老いも若きも、どこにいようと、そして国境という概 念さえも越え、あらゆる人々に広がろうとしています。

 2. 双方向性

テレビのように一方的に発信されるのではなく、行っ たり来たりの対話型の情報交換が可能です。



 3. 開放性

誰にでも窓が開かれています。基本的に自由に参加が できます。

 4. 簡便性

基本操作さえ覚えてしまえば、遠くいる人へでも瞬間 的にメッセージが送れます。ホームページなら、本の 発行より桁違いに簡便に情報発信ができます。

 たとえば、いま書いているこのメルマガも一昔前に は考えられなかったことです。

「発行します」と通知すると即座に購読の申し込みを いただく、発行すればお便りをいただきます。これは まさに双方向性のたまものです。

これまでなら、出会うことがなかったであろう方々と このようにお話できるのは、インターネットが持つ 広域性であり、開放性にあります。

そして、PCに向かって打ち込み、配信ボタンをクリ ックをすれば、全国の読者の方々に届けられる簡便性 です。(補足:いまでは海外にも読者のかたがおられ ることを知りました。)

 しかし、このようにインターネットが持つ特性は いい面ばかりが現れるとは限りません。光だけでなく、 影もあります。負の顔も持っているのです。



『広域性』は、あらゆる人々に情報が飛んでいくこと です。このことは、歴史、文化という背景がまったく 違う人々の間で情報が飛び交うことを意味します。 これまで出会ったことのないタイプの人と話しをする 局面にぶつかるのです。誤解の芽はそこらじゅうにあ ります。

『双方向性』でも問題を起こします。不愉快な反応が 返ってくる可能性もあります。双方向性ゆえに、返っ てこないレスポンスにいらいらするのです。

『開放性』には裏があります。来る者は拒まずなら、 去る者も追わずです。ちょっと、顔を出して、言いた いことだけ言って、いなくなっちゃう。この不快感も 開放性がなせるわざ。インターネットで特にまずいの は、これに『匿名性』が加わることです。名前もあか さず、土足で入ってきて、出ていってしまう輩が存在 し得るのも、この特性に寄るところ大です。

『簡便性』、これも簡単で便利であること自体はいい のですが、便利さゆえに、とんでもない過ちもおかし ます。送ってはいけない人のところに送ってしまった、 なんときなしにクリックしたら、有料ページだった、 無意識に他人の文章をコピーして使ってしまった、 などの話はよく聞きます。
また、情報発信が簡単だけに、事前のチェックも十分 せずに外に出してしまう、誤ったまま送信してしまう。 個人ベースで情報発信ができる、ひとりで作業が進め られるのはいいのですが、複数の人の目を通らずに発 信されることによって起こる過ちがあるのです。




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