自己流メーリング考 第二章 1.どこにお勤め? |
「どこにお勤めですか?」の質問を受けると返事に
窮してしまいます。 |
最近は、対象とするプロジェクトが大規模になり、複 数の企業といっしょにそのプロジェクトにあたります。 (この連携してあたる会社をR社、T社などとします と)R社、S社、T社の者とお客様(C社)の人たち で、プロジェクトが構成されるのです。さらに、ヘッ ドとなるJ社がいて、R,S,Tの各社はこのJ社と 契約し、J社とC社との契約のもとで仕事を進めます。 実態はもう少し複雑なのですが省略するとして、各自 は自分がどこの会社に所属しているのかをあまり意識 せず、言い換えると、自分の会社のことは口にせず、 プロジェクトの一員としての意識を前面に出すよう求 められます。 |
さて、私の場合、どうした訳か、チームを組んででは
なく、一人でいくことが多いです。つまり、私ひとり
だけでお客様のところにいくというケースです。お客
様(C社)とS社とが契約を取り交わし、私がC社に
出向き、そこの人たちと仕事をするのです。最近はこ
れがやや複雑になり、元請けのJ社が間に入り、S社
とJ社が契約し、そのJ社の顔でC社に伺います。 |
さてこうなると、自分はどこを勤め先にしているの かと時々思ったりします。それはそれでいいのですが、 自分の居場所があやふやになってきます。どこも中途 半端で、どっかりと座る場所が定まらないのです。ち ょこっと机に座っているといった感じです。それに一 つのプロジェクトは半年から2年ほどです。いろいろ なプロジェクトを転々とします。やっと慣れたと思う と終りです。ときどき会社に戻るのですが、S社では 浦島太郎状態です。「あの人、誰?」といった雰囲気 さえ感じることもあります。 |
新しい客先に初めて伺うときも複雑な気持ちです。
少し打ち合わせをして、用意された机に座っても、
周りはまったく知らない人たちで挨拶もありません。
ここでひとり仕事をしていくのだと覚悟はするもの、
ちょっとおセンチな気分にもなります。そとに目を
やれば、夕闇が迫り、部屋のガラス窓には自分の姿が
ぽつんと映ります。 |
このような勤務のスタイルをとっていると、自分と
組織との関係を考えてしまいます。というより、組織
体そのものから浮遊してしまうのです。どこにも属さ
ない自分と対峙するのです。そのときの所在のなさは、
ひとりよその会社にいるという事象だけでなく、会社
などという概念を飛び越えた「われ、いづこの空間に
おるか?」といった疑問から発するものです。 |
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