熟年からのインターネット NO.86
自己流メーリング考 第三章  1.生活空間での評価

 ネット世界においても、生活の場と同様、自分の居場 所というものを私は意識します。
「自分がここにいていいのか」「居場所があるのか」と 問いかけています。

 自分の居場所を確認するひとつの方法として、「どう 評価されているか」があります。私はかなり評価という ものを気にしているのです。他者からの評価を居場所探 しの一つの拠り所にしています。ネットの世界であって も、ひとの目というものは気にしています。

 ところで評価となると、なんらかの基準なり、尺度が あるはずです。たとえば会社における評価基準は、それ ぞれ差はありますが、おおよそ次のようになるでしょう。

  • どれだけ収益に貢献したか?

    ずばり「どんだけ稼いだか」です。売上、利益、 コストダウン、商品/サービスの開発へどれほど 貢献したかで評価されます。

  • どれだけお客様に満足していただいたか?

    ただ稼げばいいというわけではなく、提供した商 品/サ−ビスに満足してもらうことが大事です。 実際のところは、この顧客満足度の測定はむずか しく、満足していただければ売上が上がると短絡 的に結びつけて評価しまうケースが多いのですが。 いずれにせよ、お客様の評判が良ければ評価も高 くなります。

  • 能力向上に向けどれだけ活動したか?

    部下の育成、働きやすい職場づくりなどが評価の 対象になります。

 会社の評価では、高い評価が得られれば給料も増え、 地位もあがるのが通常です。そうでなくとも、高い評価 で居場所は確かなものとなります。

 さて、これらの評価基準をネットの世界にそのまま持 ってくることは当然できません。わかりきった事ですが、 それはつぎの理由によります。

  1. 会社や社会一般では経済性を評価の基軸とします。

    経済的貢献の尺度はネットではあまり重要視されません。 ネットを使っての金儲けが高い評価に必ずしも結びつか ないのがその例です。ネットの世界では、金銭のことは 避け気味で、かえって蔑む傾向にあります。無償の行為 が高い評価を得ています。

  2. これまでの評価は、自分が所属する組織から見ての 評価です。

    世界と自分との間には会社や団体などの組織が入りこん でいます。評価もあくまで組織としての評価が中心です。 その点、ネットは一個人が直接、世界に対します。また、 対する世界も組織ではなく、ひとり、ひとりの人間です。 肩書きも背負わず、組織を代表する顔もせず、ひとりの 人間として対する世界です。
    ネットは「どこどこに勤める誰々です」とか「自治会の 役員です」とか「何々ちゃんのお母さんです」といった フィルターを介せずに他者と生身で向き合う空間です。 組織や団体や家族の一員としての評価ではないのです。

そうなってきますと、ネット世界にはネットなりの評価 基準があると考えられます。ネットでの評価基準はそれ こそ個人ごとに異なるでしょうが、何かを各自が持って いるのではないでしょうか。意識するかしないかは別に して、ネット参加者は各人、それぞれの評価基準で相手 を評価し、さらに自分自身を評価しているのだと、私は 思っています。




第3章がつづく つづき メニューへ メニューに
inserted by FC2 system