自己流メーリング考 第四章 徒然草とネット 1.第三十六段とメール交際 |
吉田兼好の「徒然草」をとりあげてみます。 「 久しく訪れぬころ、いかばかり恨むらむと、 「しばらくある女性のところを訪れないでいたころ、 相手はさぞかし自分の薄情を恨んでいるだろうと、 わが怠り思ひ知られて、言の葉なき心ちするに、 女の方より、「仕丁やある。ひとり」など言ひ おこせたる、 出向かない自分の怠慢がよくわかるだけに、弁解の余 地がない、何の言葉も出ないでいると、女性のほうか ら「下働きをしてくれる男はいませんか、ひとり要り ようなのです。寄越してくれません。」といってきた、 ありがたくうれし。さる心ざましたる人ぞよき」 と人の申し侍りし、さもあるべきことなり。 このように言って寄越すのは、誰にでもできることで なく、実にうれしい。このような気性、性格の女性と いうのがいいなあ」と、あるお方が申しましたが、 本当にそうにちがいないですね。
男のほうは、しばらくご無沙汰していて、悪い悪い
と思いながらも訪ねていない。ほかに好きな人がいた
り、いろいろなことが重なって行かれないのかもしれ
ない。しかしそれを自省している。一方、女性のほう
でも、どうもこのごろあの人はわたしに秋風が立って
いるのではないでしょうかと思い、少し恨めしい気持
を抱いている。
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