第7章 それはそれなりには遠い夢

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原発事故以来、よく夢をみる。
かっての苦境が夢で迫る。

突然指差され、答えに窮し、延々と立ちすくむ夢。
手が付けようもない難題、そのリーダーにさせられる夢。
みんな逃げ、去っていくなか、一人取り残される夢。

ありし日のうつゝが
夢にあらわれて
夢がうつゝにのしかかる

事故現場の人間の苦悩とやるせなさと不安が夢で迫ってくる。
なんとかせよと突っつかれ、といって、解決策がない。
いわんや、抜本策などとんでもない。
そんな真っ只中にいる。

傍の想像力なんてなさけないものだ。

経験や知識で思いめぐらすことのできる範囲は狭い。
深さもしれている。
とんでもない事が浸透しつつあるのかもしれない。
想像できない不安が頭のなかで堰になる。
気分は浮かない、心は飛ばない。

それはそれなりと始めた今年、とんでもないことになった。

2011/6/26

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