熟年挽歌  11. 晩節

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  2009/5/3 日曜

国立近代美術館に行った。ボランティアガイドが
美術の流れを節々の代表作品で説明してくれた。

こうして近代絵画を鑑賞すると、それらとともに
行き着いた現代を、そして、まだ先へとつづく流れを思う。

 それにしても、五月の緑はまばゆい。

  時代ごと作品追うて館を出る
  そこはふたたび息づく光り


 クリント・イーストウッド監督・主演の
 映画「グラン・トリノ」を観た。

死にざまが印象深く描かれているいい作品だった。
そして映画は、固執の身からでも人は変わり得ることを表現していた。

 話しはかわって、

先日、美術館のボランティアガイドによるツアーに参加した。
近現代の美術の流れを節々の代表作品で説明してくれた。

 ツアーが終わり、このボランティアスタッフと話し込んだ。

定年後、やることがなくイタリーに旅行に出たそうな。
そこで、それまで興味もなかった絵画に感動し、
帰ったあと、美術を本格的に勉強したくなり、
大学の聴講生になった。
時折、こうしてボランティアをやり、
来年は大学院にいくつもりだと言っていた。

 先月、職業訓練校のクラス会があった。

昨年、あれほどアクティブにアグレッシブに動いていた者が
今回ははたからみていかにも疲れた様子だった。
中国での仕事に挫折したようで、帰国していた。
思いと現実のミスマッチであろうか、
この歳になると、このあわせるという作業がむずかしい。

 人生をいかに締めくくるかを意識する年代に入った。

これが晩節ということであろう。
その締めくくり方いかんで人は変わり得る。
これまでになく大切で、そして貴重な時期に突入している。

 そんなことを今回の映画がきっかけで、思った。

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